
IFS導入事例
株式会社SUBARU航空宇宙カンパニー
事業環境の変化にIFS Cloudで対応
ERPとMROをワンパッケージで導入し、整備事業の対応力も強化
マザー工場の基幹システムをIFS Cloudで再構築し、システムの運用保守コストを約80%削減

同社はマザー工場の基幹システムをIFS Cloudで再構築し、システムの運用保守コストを約80%削減されています。
システムの運用保守コスト
を削減
本プロジェクトの改善テーマ
オリンパス株式会社の映像事業を継承して2020年に発足し、デジタルカメラや交換レンズ、ICレコーダーなどの開発・製造・販売を手がけるOMデジタルソリューションズ株式会社。2025年からは事業ユニット制へ移行し、個人向け精密機器の「OM SYSTEM」、法人向け映像・音声関連ソリューション「OMイノテックス」、光学生産技術を基盤とする電子機器製造受託サービス「OM光学プレシジョン」という3つの事業を展開しています。
同社の製造拠点であるベトナム工場で運用していた基幹システムは、オリンパス時代に導入したERPを引き継いだものでした。コーポレートIT Vice President(当時)の大江友樹氏は次のように語ります。
「新会社設立後、日本や東南アジア拠点は基幹システムを再構築しましたが、ベトナム工場はオリンパスの基幹システムから切り出して継続利用していました。しかし、20年以上にわたり改修を重ねたことでカスタマイズが増大し、バージョンアップのたびに対応工数が増えていました」
旧基幹システムの導入当時は財務報告を優先していた経緯もあり、製造部門にとって必ずしも使いやすいシステムではなく、事業の多様化への対応も課題だったとベトナム工場の工場長 執行役員を務める松音英明氏は語ります。
「事業ユニット制への移行後、個人向け製品を生産して販売部門に展開する従来のビジネスに、電子機器製造受託サービスなどのBtoBビジネスが加わりました。そのため、社内生産に特化した既存システムでは限界があり、事業単位で分離・管理できる仕組みの整備が必要でした」
製造業に強い基幹システムパッケージをグローバル視点で検討し、IFS Cloudを採用
オリンパス株式会社の映像事業を継承して2020年に発足し、デジタルカメラや交換レンズ、ICレコーダーなどの開発・製造・販売を手がけるOMデジタルソリューションズ株式会社。2025年からは事業ユニット制へ移行し、個人向け精密機器の「OM SYSTEM」、法人向け映像・音声関連ソリューション「OMイノテックス」、光学生産技術を基盤とする電子機器製造受託サービス「OM光学プレシジョン」という3つの事業を展開しています。
同社の製造拠点であるベトナム工場で運用していた基幹システムは、オリンパス時代に導入したERPを引き継いだものでした。コーポレートIT Vice President(当時)の大江友樹氏は次のように語ります。
「新会社設立後、日本や東南アジア拠点は基幹システムを再構築しましたが、ベトナム工場はオリンパスの基幹システムから切り出して継続利用していました。しかし、20年以上にわたり改修を重ねたことでカスタマイズが増大し、バージョンアップのたびに対応工数が増えていました」
旧基幹システムの導入当時は財務報告を優先していた経緯もあり、製造部門にとって必ずしも使いやすいシステムではなく、事業の多様化への対応も課題だったとベトナム工場の工場長 執行役員を務める松音英明氏は語ります。
「事業ユニット制への移行後、個人向け製品を生産して販売部門に展開する従来のビジネスに、電子機器製造受託サービスなどのBtoBビジネスが加わりました。そのため、社内生産に特化した既存システムでは限界があり、事業単位で分離・管理できる仕組みの整備が必要でした」
そこで同社はベトナム工場のERP刷新を検討。製造業に強い基幹システムパッケージをグローバル視点で検討し、IFS Cloudを採用しました。選定の理由は、業務要件に対するパッケージの適合率の高さと、IFSによるサポートの充実度にありました。
「IFS Cloudは製造業にフォーカスした機能が豊富で、完成度が高く、信頼のおける製品と評価しました。ヨーロッパの医療機器メーカーの導入実績も後押しとなりました」(大江氏)
IFSを選定した決め手として、導入実績豊富なパートナーである株式会社アルファスト、ベトナム現地パートナーとの連携も重視されました。松音氏は「IFS Cloudの機能はもちろんのこと、それを実現するパートナーのケイパビリティも重要でした」と語ります。
IFS Cloud導入プロジェクトは2024年7月にキックオフし、2025年10月より本稼働を開始しました。システムスコープは、調達管理/製造管理/在庫管理/出荷管理/会計管理とし、ビッグバン方式で導入しています。
プロジェクトでは、「Fit to Standard」を原則として標準機能を前提に業務を見直し、個別開発・調整を極小化しながら、将来の運用を見据えた設計を実施しました。
「Fit to Standardアプローチでは、初期の工数増加や一時的な効率低下は許容し、徐々に慣れていく方針を現場のマネージャーに伝え、標準機能の使用を徹底しました。その過程で業務オペレーションの課題も浮き彫りになり、問題意識を共有できたことは副次的な成果でした」(松音氏)
プロジェクトでは、需要変動の対応、在庫管理の高度化、モノづくりプロセス管理の強化、ビジネスラインの多様化対応、収益管理の強化の5つを改善テーマとしました。中でもポイントの1つが、バックフラッシュ(自動出庫処理)への対応など、新旧システムで考え方が異なっていたことだとDivision Directorの兼城賢一氏は振り返ります。
「従来のやり方が、新しい仕組みではそのまま通用しないという点を現場に理解してもらう必要がありました。一方で、旧システムでは機能しているように見えていたプロセスも、実際には小さなエラーや想定外の手間が発生していました。IFSに刷新したことで、これまで見えにくかった課題や非効率が可視化された点は大きな成果だったと感じています」
もう1つのポイントは、専用MRPシミュレーション環境の構築です。ITマネージャーの今村啓一郎氏は次のように語ります。
「旧システムのMRPシミュレーションは本番環境でしか行えなかったため、Excelで前処理を行い、計画を作成したうえで夜間にMRPを実行し、翌朝に結果が芳しくなければ計画を再作成して作業を繰り返していました。IFS CloudではMRPのシミュレーション環境を別途構築したことで、検証済みのデータを本番環境に反映でき、より精緻な計画が立てられるようになりました」
さらにビジネスラインの多様化に対応するため、ビジネス単位でアクセスコントロールを実現できるようサイトを分離し、情報統制を強化。これにより、ビジネスライン単位での収支と責任範囲を明確化し、将来的な新規事業追加にも柔軟に対応できるようになりました。
本稼働から約半年が経過し、特に実感されているのは業務の透明性向上です。
「現場で発生している課題が、マネジメントまで伝わるスピードが格段に速くなりました。IFS Cloudのシミュレーション機能により、先を見据えた判断もできるようになってきました」(松音氏)
財務面ではレポーティング機能の充実により、レポート作成や分析時間が短縮され、意思決定のスピードが向上。自社IT部門でユーザー要件に応じたレポートも作成できるようになっています。
「旧システムで出力に時間を要していた売掛金のエイジング情報も、IFS Cloudのクイックレポートおよびロビー機能を活用すればいつでもタイムリーな情報を確認できます。レポート作成のリードタイム短縮により、多角的な視点で財務データを加工・分析できます」(兼城氏)
運用面では、内製化やFit to Standardの推進により、コストを大幅に削減。
「現時点で年間70~80%の運用保守コストを削減できています。これは、社内の意識改革が進んだことも大きく影響しています」(大江氏)
"OMデジタルソリューションズでは、欧州拠点のレガシーERPの刷新もIFS Cloudのケイパビリティを踏まえ、前向きに検討しています。また、AIによる業務の自動化・効率化や、データ分析の高度化も次のテーマです。
「製造業では以前からエキスパートシステムという概念があり、職人の暗黙知を代替するコンセプトが提唱されてきました。AIはそれに近いソリューションになり得ると考えており、設備の予防保全アラートなど工場運営に積極的に活用していきたいと思います」(松音氏)
管理部門の兼城氏も、AIによる意思決定者へのタイムリーな情報提供に意欲的です。
「膨大な工程を要する仕掛品の価値や在庫の状況をリアルタイムに把握し、報告することが理想です。AIの学習・予測機能を活用すれば、日次でのバランスシート作成が可能になると思います。そうなれば、会社の置かれた状態をタイムリーに把握し、グローバル競争力のあるスピーディーな経営判断につなげていくことが可能となると考えています」
IFSには、今後も同社のオペレーションを深く理解したうえでの支援を期待していると大江氏は語っています。
「今後も長いお付き合いになりますので、新たな提案を通して当社を次のステージへ導いてほしいと考えています。成長著しいIFSの推進力が、新たなサービスやプロダクトに反映されることを期待しています」
IFSソリューションを活用して業務変革を実現している企業の導入事例を、ぜひあわせてご覧ください。


